毎日の料理に使う植物油。スーパーに行くと大豆油、ごま油、オリーブオイル…いっぱいありすぎて迷っちゃう。
結局どの油を使えば良いの?
体に悪いって聞くけど、本当なの?
こういった疑問にお答えします。
目次
この記事でわかること
- 植物油の定義と代表的な種類
- 植物油と植物油脂、動物性油脂の違い
- 植物油が体に悪いと言われる理由
- 植物油の選び方と使い方
- 適切な保存方法
結論から言うと、植物油は正しく選んで使えば、健康的な食生活の味方になります。
なぜなら、問題なのは「良いか悪いか」ではなく「どう使うか」だから。
体に悪いと言われる理由や、おすすめの使い分け方も詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
植物油とは?その定義と基礎知識

植物油の定義と特徴
植物油とは、植物の実や種をしぼって取り出した油のことです。
代表的な種類はこちら:
- 大豆油(サラダ油)
- 菜種油(キャノーラ油)
- ごま油
- オリーブオイル
- 米油
- えごま油
- 亜麻仁油
常温で液体のものが多く、サラダにかけたり、炒めたり、揚げたりと用途が豊富なのが特徴です。
ポイント
液体が多い理由は、不飽和脂肪酸という成分が多く含まれているため。
不飽和脂肪酸は、血液の流れをサポートしたり、コレステロールのバランスを整えたりする働きがあります。
イメージとしては「体の中の油をさらさらに保つ成分」と考えるとわかりやすいですね。
植物油と植物油脂の違い
食品の原材料名によく書かれている「植物油脂」という表記は、植物からとれた複数の油をまとめて表すときに使われます。
つまり、具体的に大豆油なのか菜種油なのか、複数をブレンドしているのかが、表示だけではわからないということです。
「植物油」の場合
- オリーブオイルやごま油のように油の種類がはっきりわかる
- 家庭で種類を指定して選ぶイメージ
「植物油脂」の場合
- 商品の安定性やコスト、風味の調整などを目的にブレンド
- 何の油が使われているかが不明確
買い物の時は原材料名を見て、どのような油が使われているかチェックする習慣をつけましょう。
植物油脂がよく使われる食品の例
以下のような身近な食品で「植物油脂」という表記はよく見かけます:
- チョコレート
- クッキー
- ポテトチップス
- インスタントラーメン
- ドレッシング
- マヨネーズ
加工食品では配合が変わることもあるため、このようなまとめ方が使われています。
毎日避ける必要はありませんが、続けて多く食べると油の摂りすぎになります。
頻度や量をコントロールするのが、健康維持のコツです。
動物性油脂との違い
動物からとれる油のことを、動物性油脂といいます。
バターやラード(豚脂)など、常温で固まるものが多いのが特徴です。
一方、植物油は液体のものが多いですよね。
どちらが良い悪いではなく、食材や料理に合わせて使い分けるのがコツです。
例えば:
- 風味を出したい時はバターで
- 基本の加熱調理には米油
このような使い分けがおすすめ。
植物油の主な系統とおすすめの使い方
植物油のラベルを見ると、「オメガ3」や「オメガ6」「オメガ9」という表示があります。
これは油に含まれる「脂肪酸」という成分の名前です。
難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば体にとっての役割と、料理への向き不向きが違う感じですね。
オメガ3系の油
主な油: えごま油、亜麻仁油など
体での役割: 血液をサラサラにしたり、脳の働きをサポート
特徴: 体に良いけれど、熱に弱い
おすすめの使い方: サラダや冷ややっこにかけるなど、「生」で食べるのがベスト
オメガ6系の油
主な油: 大豆油、ごま油など
体での役割: 細胞を作る上で重要な役割
特徴: 体に良いけれど、熱に弱い
おすすめの使い方: 加熱よりも、ドレッシングなどに使うのがおすすめ
オメガ9系の油
主な油: オリーブオイル、菜種油(キャノーラ油)、米油など
体での役割: 悪玉コレステロールを減らす働き
特徴: オメガ3やオメガ6に比べて熱に強い
おすすめの使い方: 生食はもちろん、炒め物や揚げ物にも使える
重要
油は空気、熱、光に触れると少しずつ劣化します。
劣化した油は細胞を傷つけ、疲れやすい体や老化の原因になってしまうんです。
私も、5年前ほど前は一日中抜けない疲労感に悩まされていましたが、用途別に使い分けるようになってからかなり体調が良くなりました。
植物油が「体に悪い」と言われる理由

植物油が体に悪いって本当なの?
いいえ、植物油そのものが悪いわけではありません。
繰り返しますが、問題は使い方や摂取量にあります。
活性酸素・酸化・糖化とは?
「植物油は体に悪い」と言われる背景にはまず、細胞の「酸化」や「糖化」といった現象があります。簡単に言えば、酸化=サビ、糖化=コゲ、といったイメージでしょうか。どちらも老化や病気の原因につながるため、できるだけ避けることが大切です。
植物油は空気や熱、光に触れることで少しずつ酸化していきます。酸化した油を食べると体の中でも酸化や糖化が進み、動脈硬化や生活習慣病のリスクが高まることが、研究で報告されています。
なので、なるべく酸化しないように使っていくことが大切です。
トランス脂肪酸のリスク
もう一つ避けられないのが、トランス脂肪酸という成分です。
トランス脂肪酸は、油を固めるための加工によって生じる成分で、以下のような食品に多く含まれています:
- 加工食品
- ジャンクフード
- マーガリン
ハーバード大学が1993年に行った大規模な調査では、エネルギーのわずか2%をトランス脂肪酸から摂取するだけで、心臓病のリスクが約2倍に増えるという結果が報告されました。健康のためにはできるだけ避けるのが望ましいでしょう。
摂りすぎによる生活習慣病の可能性
| 栄養素 | カロリー(1gあたり) |
| 油脂(脂質) | 9キロカロリー |
| 糖質・たんぱく質 | 4キロカロリー |
油は体のエネルギー源として大切ですが、糖質やたんぱく質と比べても倍以上のカロリーがあります。体に良いと言われる油でも、摂取量が多すぎれば体重増加や、生活習慣病のリスクが高まります。
例えば:
- オリーブオイル小さじ1杯:約40キロカロリー
- オリーブオイル大さじ1杯:約120キロカロリー
おいしさと健康の両立には、適度な量を意識するのが大切ですね。
加工食品に含まれる植物油の注意点
以下のような食品には、想像以上に植物油が使われています。しかも、何度も繰り返し調理に使われていたりするので注意が必要です。
- スナック菓子
- インスタント麺
- フライドチキン
繰り返し加熱すると油が酸化して、風味が落ちるだけでなく体に良くありません。
「家で使う油は控えめなのに太る」という方は、加工食品や外食に含まれる油の量に注意してみてください。
植物油の適切な保存方法

繰り返しますが、植物油は空気、熱、光に触れると少しずつ酸化していきます。酸化を防ぐための保存方法も知っておくとさらに良いでしょう。
保存のポイント:
- 光の当たらない涼しい場所で保存
- 使ったらすぐにキャップを閉める
- 開封後は冷蔵庫で保存
特にえごま油や亜麻仁油などのオメガ3系の油は、酸化しやすいので冷蔵保存は必須ですよ。
料理ごとの使い分けのコツ
使い分けの考え方はシンプルです。
基本ルール
- 生で香りを楽しみたい時:オメガ3、6系の油
- 加熱料理:オメガ9系の油
定番の組み合わせ
- サラダ:亜麻仁油
- 炒め物:菜種油
- 揚げ物:米油
味の変化を楽しみたい日は、以下のような小さな工夫もおすすめ:
- 仕上げにごま油を数滴
- 魚料理にえごま油をひとたらし
これだけで満足度がグッと上がります。
避けたい使い方(高温加熱や再利用など)
煙が多く出るほど高温で加熱すると、油は一気に酸化します。火力は中火からやや強火にとどめ、なるべくその都度処分しましょう。
まとめ|植物油と健康的に付き合うために
植物油は、大豆、菜種、オリーブなどの植物からしぼった油で、日常の料理に幅広く使えます。
体に悪いと言われる理由の多くは、以下にあります:
- 酸化した油
- トランス脂肪酸を多く含む加工食品
- 外食に潜む見えない油の多さ
- 摂取量の多さ(1gあたり9キロカロリー)
原材料名に書かれている「植物油脂」はまとめ表記であることを知り、選ぶ力を身につけるのが大切です。
健康的に取り入れるためのアドバイス
毎日の食卓では、用途に合わせて使い分けましょう:
- サラダや仕上げ:亜麻仁油やごま油
- 加熱料理:菜種油や米油
開栓後は長く置かないで、光と熱を避けて保存します。
香りや色に違和感を覚えたら、早めに交換しましょう。
最後に
無理して完璧である必要はありません。
家で使う油の量を整え、加工食品や外食の頻度を少し見直すだけで、体は変わります。
植物油は敵ではありません。
上手に選んで使えば、毎日のごはんをおいしく、そして健やかにしてくれる頼もしい相棒です。